そろそろ源泉徴収票が届く時期ですね。今年もお仕事お疲れ様でした!
年々社会保険料が上がり知らぬ間に手取りは減っていますが、今回は「物価が上がる事で手元に残るお金が減る」というお話しをさせて頂きます。
もくじ
2020年の物価推移は?
まずは客観的なデータから紹介します。総務省から出ている「消費者物価指数」から以下データを抜粋しています。
2020年3月(コロナ直前)
(1) 総合指数は2015年を100として101.9
前年同月比は0.4%の上昇
(2) 生鮮食品を除く総合指数は101.9
前年同月比は0.4%の上昇
(3) 生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数は101.9
前年同月比は0.6%の上昇
上昇
品目 | 対前年UP |
すし(外食) | +5.7% |
アイスクリーム | +7.8% |
火災地震保険料 | +9.3% |
自動車保険 | +2.0% |
タクシー代 | +7.7% |
ドッグフード | +9.5% |
インターネット接続料 | +1.9% |
下落
品目 | 対前年UP |
光熱水道電気代 | -3.3% |
通信料 | -4.3% |
幼稚園保育料(私立) | -95.0% |
保育所保育料 | -58.2% |
旅行 | -35% |
ガソリン | -10% |
※旅行ガソリンはコロナ後データ
これをみて「大したことないじゃん」と思われる方は危険です。何が危険かというとまず全体の物価が1%未満の上昇、というところですが、そもそも保育料無償化があるにも関わらず1%未満ながら上昇しているという点です。
また、0.5%でも毎年上昇し続けた場合、子どもが大学入学する15年後を例にとってみると、月30万の支出が15年後は月46.7万になっている計算となります。
もちろん物価上昇に相関して給与所得も上がるでしょうが、今の日本では医療費や介護費に使う社会保険料・介護保険料が今以上に給与から天引きされているのは目に見えています。
ちなみに、私たちの生活周辺の物価の上がり方は「すし5.7%」など全体よりも結構上がっています。スナック菓子の中身が年々少なくなっているのも相対的に物価が上昇していることを裏付けているのではないでしょうか。
毎年2%の上昇
そんな中、日銀は毎年の物価上昇目標を2%としています。2022年からは2%上昇の軌道に乗るという試算もあります。
先ほどもお話ししましたが毎年0.5%ずつ上がっても結構な額が支出額として増えます。
なぜ物価を上げるのか?
日銀の公表資料には以下のように記載があります。(https://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2014/ko140320a.htm/)
・消費者物価指数の上方バイアス
・金利引き下げ余地 金利引き下げ余地 確保 りしろ」 の確保:「のりしろ」
・「2%」はグローバル・スタンダード
物価上がれば金利上げられるし、世界標準にあわせたい的なことが書かれています。といっても分かりづらいので、下の図で簡単にご紹介します。
前提としてゼロ・マイナス金利スタート
①金利が低いので企業が借金をして設備投資し、売上増加アクションを取りやすい環境をつくる
②企業の売上増加により株価上昇し、株主が儲かります(!ここめっちゃ重要!)
③企業が儲かって業績良くなれば社員の給与が上がり消費増えます。金利も低いのでマイホームとか買っちゃいます。
④消費が促されて、需要増加により物価がじわじわ上がります。だってみんな買うんだもん。
⑤物価上昇が起こると、モノの値段が上がるのでさらに企業が儲かります。
⑥さらに株主が儲かります。給与上がります。消費増えます。
⑦経済成長に適度なブレーキをかける為、日銀が金利を上げます。
⑧企業が借金しにくくなり、売上成長が落ち着きます。
・・・・・
とこんな感じで回っていきます。日本は企業の内部留保でか過ぎて社員給与の伸びが思ったほどでなく、消費が伸びず物価上昇の目標には到達していません。けれど正解標準に合わせる意味でも2%を目指しています。
あとは日本の借金が物価上昇によって実質的に「減る」からです。これが一番大きい理由だったりして・・・・日本の借金は「1100兆円」、単純に物価が2倍になって入ってくるお金も2倍に。あと、物価上昇すると円安(1ドル=110円→120円の方向に)が進むため、1100兆円が10兆ドルだとしたら、円安が進むほど借金が減りますよね。
物価上昇で「損する人」「得する人」
物価上昇が直撃するのは「現預金」です。その為、今の1000万と15年後30年後の1000万では買えるものが少なくなっています。現預金しか持たない方は「損する人」と言えるのではないでしょうか。
その為、物価上昇に合わせて上昇するものに、もしくは価値が変わりにくいものに変換している人が「得する人」となります。具体的には、いままでもご説明した「株式」、物価が上がれば金利も上がるので「債券」、物価が上がれば地価も上がりますし「不動産」を所有する方々です。あとは、円貨ではなく外貨を多く所有する方々は、物価上昇によって円安(1ドル=110円→120円の方向に)になるので外貨を持っている方が得をしますよね?
物価上昇への対策
前項でもご説明したように、「資産」か「外貨」を持つべきです。ハードルの低いところでは、投資信託か外貨を購入するといった所でしょうか。なんにせよ、何もしなければ問答無用で物価はあがります。急に上がりはしませんが、じわじわ上がっていきます。
過去、消費税が3%だったのにじわじわ上げて今や10%でそれが普通と感じているのではないでしょうか。
じわじわ上げられると「そんなもんか」と思ってしまうのでご注意ください。
本ブログからのお願い
この記事は、読者が自由に記事の金額を決められる「Pay What You Want方式」を取っています。「役に立った」「面白かった」など、何かしら価値を感じた場合は、以下画像をクリック頂き価値に見合った金額をお支払いくださいませ。
金額は空白欄に「15円から」ご記入頂けます。受取人アドレスは 「manepon15@gmail.com」です。※受取専用です。
※Amzon初期設定が何故か「1万円」なのでご注意ください!