よく「歴史は繰り返す」と言われますが、バブルの熱狂と崩壊も繰り返しています。
積極的に投資する世代の入れ替えも関与しているなんて話もありますよね。バブルの熱狂と崩壊を「経験した世代」と「知らない世代」が入れ替り歴史が繰り返されるわけです。
これらを「知識」として知ることでいざというときに「パニック」にならないように、本記事が役立てばうれしいです。
もくじ
題材は1929年の「暗黒の木曜日」
今回取り上げる過去のバブルは米国の「暗黒の木曜日」です。2021年の株価高騰にもちょっとだけ通じる部分もあります。
1929年の所を見て頂くと「暴落」していることが見て取れるのではないでしょうか。なぜこのような現象が起きてしまうのか。
実際誰しもが「暴落」は買い時なのはわかっています。しかしながらそれでも暴落してしまうのです。
熱狂から暴落までのストーリー
この当時、「鉄道」に代わり「自動車」が浸透し始めていました。新しい技術に対しては、期待を込められることがおおくなり「投機」の対象になりがちです。
その為、「モーター」みたいな名前のついている株がバンバン買われていくわけです。2021年の今で言うと、「リモートワーク・テレワーク」関連といった所でしょうか。
また、新技術としての「電波」が米国中を駆け巡り、ラジオの市場規模が90年代の6年間で「14倍」にもなりました。
加えて、大西洋横断飛行が成功し、新興航空産業にも注目が集まり、まさに同時多発的な「無敵感」が米国中を支配していたとも言えます。
著書の中でも、目をつぶって株価を選んでも上がっていく、なんて表現もされているほどです。
そしてその熱狂に乗っかるように、1928年だけで投資信託が200本以上設立されています。ちなみにコロナショックのあった2020年は投資信託全体として「1000商品」増加しています。
私の計算間違いでなければ、当時3年ほどの間で投資信託の資産総額が「5000倍」にも膨れ上がっていったわけです。
- 歴史は繰り返し悲劇をもたらす傾向があり、投機の行き過ぎが必ず、相場下落の行き過ぎと苦痛をもたらすことを教えている。・・・・そして、投機のお祭り騒ぎが広がりすぎれば、やがて訪れる暴落は、投機家に打撃を与えるに止まらず、経済全体の恐慌をもたらすことになるだろう。(ポールMウォーバーグ)
- パニックは、その本質として、脅威を与える危険とは無関係であり、全く些細な点をきっかけに起こることが少なくない。(ジークムント・フロイト)
著書にも記載がありますが、熱狂のさなかでは、悪材料が多く出ても無視され「聞きたい事しか、聞かなくなっていく」という状況になっていきます。
理論的な根拠を示すことによってではなく、従者や運転手や牛飼いや女優や農家のおばさんが株式市場の利益で、考えられないほどの金持ちになったという無数のうわさによって、さらに熱狂感が増していくようです。
ちなみに、「暴落」は買い時であるというのはある意味「周知の事実」何も関わらずドンドン暴落していくのは何故なのでしょうか。
その1つには、「投機家たちによる、追証支払の株式投げ売り」があります。それに助長され、自動売買システムや個人投資家の損切りが合わさり、「大暴落」につながっていきます。
1990年も似た状況に
実は1990年も非常に似通った状況になっています。
この時は、ITによる第三次産業革命が始まった時です。これにより、情報技術の急激な普及が経済成長を促し始めていました。加えて、FRBの低金利政策も引き金になり「熱狂」モードに突入していきました。
この頃は相場下落するたびに「押し目買い」の絶好機会ととらえられており、下落してもすぐに反発し株価は上昇していきました。
現在はどうか??
では、2021年の状況はどうでしょうか。まず言えるのは、強気相場であり、低金利であり、カネ余り状態です。多少の暴落があっても、翌日~数日で反発し回復しています。
また、S&P500のPER20倍を超え(米国はだいたい16~18倍)、かつPBR4倍を超えてきています。投資家の「期待」がかなり乗っかっている状態なのは間違いないと言えるのではないでしょうか。
ちなみに、Afterコロナでの企業業績次第で、さらに熱狂するか、はたまた期待外れで暴落するかは未知数です。
一方、米国個人破産件数急増や家賃滞納10兆円(猶予2021年6月末)となっており、足元の消費者の収支状況は良いとは言えません。家賃滞納と言う事は、大家さんにダメージがあると言う事。政府からの補填があるとはいえ、状況は厳しいと言わざるを得ないと思います。
そして、現在の超低金利が上がる日がいつかは来ます(7/9/11/12月FOMC動向で大なり小なりの暴落は起こる)。
取るべき行動
〇相場強気だろうと弱気だろうと
〇取るべきお薦めの行動は、「感情の入る余地をなくして定期積立続ける」です(長期投資が前提条件)
〇これから始めるのであれば、「今すぐ」始めるべき
〇暴落したら「定期積立」とは別の余剰資金を突っ込む
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